ウケるちゃんと生きる。
ウケるちゃんが降りてきた。
2012年12月広島市内のとあるカフェのカウンターで一人、ノートを広げボーッとしていた。目にしたり耳にしたり、気になった言葉をノートにメモすることをその年から始めていた。さっそく、隣にいた男性二人の会話から「ウケるよね~」「ムカつくねー」という言葉が飛び込んできた。言葉収集家の僕は、すかさずその言葉をノートに書いた。次の瞬間、ほぼ、今のウケるちゃんはできていた。その時は、自分で書いたものを見ながら「あ、ウケる~グフフ」くらいで、まさか今のいままでウケるちゃんとともに生きているとは思ってもみなかった。降りてきたというより、運命的な出会いだった。
ウケるちゃんと生きる。
それ以来、空いた時間にウケるちゃんと向き合った。真面目にまっすぐ向き合った。少しずつウケるちゃんのことがわかってきた。見えてきた。あーしよう。こーしよう。ウケるってとてもいい言葉だ。何より、自分自身が前向きな気持ちでいられた。生きていくって本当ーに大変。みんなそれぞれ色々あって、欲と悩みはつきなくて。どの道を選んでも楽な道なんてなくて。たとえば、大切な人が亡くなったとしても、容赦なく続く毎日があって、仕事して、お金を稼いで、生きていかなければならなくて。。元気だからがんばれる。元気だから楽しめる。とにかく前向きに生きること。それが一番大切なことかもしれない。ウケるちゃんが、その気持ちを支えてくれる気がした。
ウケるちゃんを想像する。
ウケるちゃんはいつか教科書に載ります。ウケるちゃんはいつかシャネルとコラボします。ウケるちゃんはいつか学校をつくります。ウケるちゃんはいつか公園をつくります。ウケるちゃんはいつか街をつくります。ウケるちゃんはいつか時代をつくります。たくさん想像しています。地味に地道に行動し、一つずつカタチにしています。想像できないことは、たぶん叶わない。自分が面白いと思うことを信じてやるだけ。それをやって自分が楽しめるかどうか。前向きな気持ちでいられるかどうか。たまに、ウカる(受かる)ちゃんにしたら? 受験生や試験などに向かう人にウケるのでは! という前のめりなアドバイスをいただきます。ありがとうございます。いつか…多分やりません。誰かがそれをやってウケたとしてもそれはそれで構いません。
デザイン=ウケるちゃん。
僕にとって、デザインとは「言葉」であり、デザインとは「ウケるちゃん」です。すみません、たどり着いてしまった。。デザインを学び仕事にできて、本当に幸せだと思っています。だからこそ、ひとりでも多くの人に広めたい。プロ野球選手やプロサッカー選手が観客を魅了し社会を明るくしているように、プロのグラフィックデザイナーとして一人でも多くの人に良いデザインを提供し、ウケるちゃんとともに社会に貢献していきたいと思っています。
2020.10