手づくりの贈り物。
先日、ウケるちゃん絵本「でた!らしいよ。」を読んでくださった方からお手紙をいただきました。
うれしくてカバンに入れていつも持ち歩いています。
2020年の年末に、縁起物シリーズの富士山ウケるちゃんのポストカードをつくりました。
昔ながらの活版印刷で贅沢に仕上げたポストカード。
礼状などで使おうと思い作ったものですが、お世話になった方に手渡ししたり、時には請求書などに同封しお送りすることもあります。そのポストカードを見た経理の方が、縁起が良さそうだと、国家試験を向かえたお友達にそのカードで手紙を書いたそうです。内容はわかりませんが、お友達は手紙に涙し、その手紙を持って試験に挑み、無事合格されたそうです。1枚のポストカードがいろんな人の手に渡り、そういう話になってそのポストカードをデザインした僕のところに戻ってくる。それってすごく素敵だと思いました。
僕自身、手紙を書くことは年に数えるほどしかないですが、そのポストカードで手紙を書きたくなり、書いたこと、送りたくなりポストに入れて郵便で送ったこと、人を動かしたという事実がすばらしい。
手書きの文字(言葉)というのは、なんともその人の味があります。
まず、自分の名前が送り主の手で書かれた感じが何よりとても新鮮で、少し照れ臭く、それだけで笑みがこぼれそうになったり。なんどもなんども読み返したくなるのはきっと、手書き独特のリズムがあるからなのかな? 字が上手とか下手とかではなく、その人の手書きの文字を見るだけで、癒されること、元気になることもある。手紙というのは手作りの贈り物なんだということに気づかされました。
手紙を書きたくなるような、そんなポストカードをこれからもデザインし続けられるといい。
迷わず、手紙をすぐ書いて送れる人になりたいなと。
2021.3